事業の背景
「くりんか」という呼称は、石炭火力発電所から排出される石炭焼却灰(石炭灰)の塊を「クリンカ」と呼んでいる事に由来しています。
現在、全国で埋立処理される石炭灰は年間約200万tあり、エネルギー政策の転換により更に排出量が増える事が予想されます。
同社は産業廃棄物として埋立処理されていた石炭灰の高吸水性に着目し、舗装工法に取り入れることに成功し「呼吸する環境舗装」である「くりんかロード工法舗装(以下、くりんかロード)」を産み出したのです。
これまでに遊歩道・広場・個人庭園・屋上緑化・中央分離帯・社会インフラ施設(送電鉄塔/電波基地局etc)などへの施工が行われ、生活の様々なシーンで優れた「保水性能」を発揮しています。
【くりんかロードの仕組と特徴】
挑戦とK-RIPの有効活用
●エコ塾の登壇
「くりんかロード」が世の中に出て4年が経過し、なかなか突破口が開けずに壁に突き当たる日々が続いていました。そのような中H25年11月にK-RIPのドアを叩き、同じ志を持つ仲間が数多く存在すること、そして親身に相談に乗るコーディネーターが存在することを知りました。その場でK-RIPへの入会を決め、12月のエコ塾で早速登壇していただきました。
K-RIP会員の熱い期待を背負い出場した、同年12月に開催されたフジサンケイグループ主催ビジネスコンテストでは、見事「審査員特別賞」を受賞しメディアでの登場機会も増えていきました。
またK-RIP入会と同時に販路拡大に向け、今後の事業を占うと言っても過言ではない新たなネットワークを構築されています。
【ハウステンボス様 芝桜ガーデン 車椅子通路 施工事例 (約400㎡)】
将来のヴィジョン
全国には北海道から沖縄まで50か所以上の石炭火力発電所が稼働中です。現在は九州電力の石炭灰を利用していますが、将来は「地産地消くりんかロード」を展開して行く予定です。
現在、沖縄電力・関西電力の石炭灰での各種試験を完了しており準備を進めています。
またコスト削減のため表層には地場で採れる岩石(例えば琉球石灰岩など)を活用するなどして、地域とより密着したビジネスモデルも取り込む予定です。
また東南アジア・インドなどの熱帯モンスーン地域での事業提携も視野に入れています。主に公園・歩道・外構などのインフラ整備です。圧倒的な保水力は高温多雨の地域でこそ威力を発揮し、街に「あんしん」と「うるおい」を提供できます。また、くりんかロードは人力施工ですので雇用対策にもなります。
今後も更なるバージョンアップ・品質管理などにより、石炭灰の有効活用が進むことが期待されます。
Topics
●「集中豪雨から社会インフラを護る石炭灰を活用した法面工法の開発」(第92回新技術開発助成 採択)
リコー三愛グループの創始者であり佐賀県ご出身の市村清氏が設立した公益財団法人新技術開発財団で公募されていた「第92回新技術開発助成H25年第2次」にて同社の「集中豪雨から社会インフラを護る石炭灰を活用した法面工法の開発」が採択されました。
http://www.sgkz.or.jp/project/newtech/92/document_04.html
本新技術はK-RIP(エコ塾)にて紹介済みの「くりんかロード工法舗装」の優れた保水能力を活かし、山間部で発生する集中豪雨から送電鉄塔などの社会インフラ施設を護る為の法面工法の開発です。
【新開発技術名:くりんかロード工法舗装 D工法 法面保護(仮称)】