株式会社ワールド・リンク 代表取締役社長 籐 龍一

事業の背景

株式会社ワールド・リンクは、株式会社協和熱工業と連携し、株式会社協和熱工業が製造する重金属処理剤「セグロ」を使って、トンネル工事の際に出される廃水に含まれる六価クロム処理を行っています。

株式会社ワールド・リンクの籐社長は、付き合いのある貿易コンサル会社から中国の汚染土壌の深刻さを知り、同社が取り扱う重金属汚染処理剤「セグロ」の導入について模索し始めます。

しかし、中国のどの地域で、どのようなルートで導入を図るのか、どうやってパートナーを見つけるのか、輸出にあたって発生しうる障害は何かなど、検討することは山ほどあります。

挑戦とK-RIPの有効活用

❶K-RIP海外展開コーディネーターによる中国展開のコーディネート

籐社長が独自に検討を重ねる中で、K-RIPのアジア展開コーディネーター(包振華氏)と相談し、ビジネスの可能性を探ります。

相談の中で、アジア展開コーディネーターが、平成23年度にK-RIPとジェトロが行った中国山東省の重金属汚染状況の調査資料を提供したり、中国でのビジネスパートナーの発掘方法などについて助言してくれました。また、九州経済産業局からも情報提供や助言がなされ、まずは、中国山東省と海外実証試験の支援ツールの活用に向けてスタートしました。

❷海外実証事業の予算獲得、K-RIPのコーディネートによるパートナー発掘

平成24年3月、K-RIPが募集する「新商品開発・実証事業」に採択され、中国山東省内での実証事業について、K-RIPと連携してスタートさせました。スタートからあまり時間をおかず、アジア展開コーディネーターのアレンジにより、山東省環境産業保護協会を通じて現地企業と出会い、共同実証事業について話を進めることになりました。

❸K-RIP主催の海外ミッションに参加、MOU締結

その後、平成24年8月、K-RIPが主催する「九州-中国山東省環境ビジネスミッション」に参加し、現地(山東省済南市)にて、両国政府幹部の立ち会いの下、中国企業と実証事業の共同実施にかかる覚書(MOU)に署名し、現在、中国企業と共同で実証事業を進めています。

(中国企業との業務提携にかかる覚書(MOU)締結)

 (ソリューションビジネスのスキーム)

将来のヴィジョン

同社は、中国で環境問題対策に最も注力している山東省にて実証事業を成功させ、その成果とビジネスモデルをもって、山東省全域、そして、土壌汚染で苦しむ他の自治体への普及を考えています。同社は、重金属汚染処理剤を多くの地域に普及させるにより、中国の環境問題に貢献していく考えです。

Topics

株式会社ワールド・リンクは、今、また新たな取り組みに挑戦しています。航路の拡幅等によって海域から浚渫された非常に軟弱な底泥の有効活用です。浚渫された底泥は、現在、そのほとんどが海面埋立処分場に投入されて処分されますが、処分場が逼迫しているため有効利用が望まれています。他方、自然災害等の被災地では復興作業で大量の土砂が必要とされているため、この海域からの浚渫土を個化処理して復興現場等で有効利用するための研究、開発に取り組んでいます。

同社の「今ある資源を大切にし、有効的に活用する支援事業を行う」という理念の実現に向け、籐社長の挑戦はこれからも続きます。

企業名
株式会社ワールド・リンク
代表者
代表取締役社長 籐 龍一
創業
2007年
資本金
1,000万円
住所
福岡県筑紫野市上古賀3丁目2番16号
主な事業
水処理剤・泥土改良材の開発販売、重金属処理剤の販売等