事業の背景
食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律が2000年から施行されたこともあり、生ごみ処理装置等リサイクル技術への関心が高まり、多くの企業が参入。
楽しい株式会社も独自の生ごみの処理装置を開発し参入しますが、装置等の単品売りのビジネスに限界を感じ、マーケットのニーズに合わせるため、循環の仕組み、リサイクルのためのシステム作りの必要性を感じていました。
挑戦とK-RIPの有効活用
❶環境クラスター大学でビジネスプランを練り上げる!
松尾社長は、一社単独でリサイクル・ループを構築するのは困難と考え、産学官など外部との連携に向けて動きはじめます。2002年、松尾社長はK-RIP主催「環境クラスター大学」に参加。「環境クラスター大学」は環境分野の専門家や企業関係者が参加する合宿で、松尾社長はこの事業のグループ演習の中で、リサイクル・ループのビジネスモデル(後のメリーズシステム)について提案し、参加メンバーや専門家等から様々な意見をもらい、自信を深め、ビジネスプランの更なる具体化に向けて開発を継続します。
❷K-RIPプロジェクトで採択、ビジネスモデルの確立へ
2005年、松尾社長はメリーズシステムのモデルを「K-RIPプロジェクト」に提案し、採択されます。「K-RIPプロジェクト」は優れたF/S調査企画や試行的な取り組みに対して、K-RIPが独自に予算支援を行うもので、松尾社長はこの支援ツールをうまく活用し、リサイクル・ループのビジネスモデルを確立。同社の飛躍につながりました。
その後も、松尾社長の挑戦は続き、地域のコミュニティビジネスの分野にも参入します。2010年、楽しい株式会社は、NPO法人環境コアと連携し、バイオマスタウンにおけるビジネス構築について、「K-RIPプロジェクト」に提案し、採択されます。このプロジェクトも現在、具体化に向けて動いています。
将来のヴィジョン
❶Win-Win-Winを意識したビジネスモデルを追求
楽しい株式会社は、環境分野における社会的ニーズを捉え、その解決に向けて常に挑戦しています。しかし、1社単独で取り組むのは効率的ではなく、地域の多様なメンバーと連携し、また、参加メンバーそれぞれがメリットを享受するWin-Win-Winのビジネスモデル構築を目指しています。
❷価値創造に向けて続く挑戦
楽しい株式会社は、K-RIPの産学官のネットワークを活用し、環境価値と経済的価値、社会的価値の創造に向けて挑戦を続けていきます。
Topics
2012年5月、楽しい株式会社は、株式会社エコ・エナジーと北九州エコタウン内機関と連携し、廃棄物とバイオマスの新資源化システムを開発。
このシステムは食品廃棄物を堆肥化する「堆肥化技術」、可燃ゴミ等の「炭化技術」、廃プラスチックや木質バイオマス等を油に変換する「油化技術」を組み合わせたもので、総合的な再資源化システムとして販売する予定です。
設備の処理能力 は1日当たり4.8㌧。(廃プラ1㌧から灯油等を875㍑回収/木質 バイオマス1㌧から重油を約350㍑回収) 大規模な焼却処理施設を持たない人口1万人規模の小規模自治体や離島を対象に導入を勧めていく予定です。導入費用は1億7千万円程度、 運用コストは年間約2,100万円の予定 (モデルケース:人口1万1千人、年間の廃棄物処理量が1,300㌧)。